それぞれの設置環境に対応した防犯カメラの選び方を徹底解説!防犯カメラ導入の基礎知識|犯罪増加の今こそ知りたい機能・用語・選び方のポイントそれぞれの設置環境に対応した防犯カメラの選び方を徹底解説!

 近年、防犯カメラはオフィスや店舗だけでなく、一般家庭でも導入が進んでいます。単なる防犯用途にとどまらず、遠隔での見守りや、コロナ禍における密の回避といった新しい活用方法も広がっています。
一方で、防犯カメラには専門用語や多様なスペックが存在し、「選び方が難しい」と感じる方も少なくありません。
そこで本記事では、防犯カメラに搭載される主な機能やスペックの見方をわかりやすく整理し、目的に合った製品を選ぶためのポイントを解説していきます。

※令和7年2月警視庁発表資料のデータ

令和3年は一番少ない、しかし、令和4年から6年まで1.4万件の刑法犯の認識が増えたことが上記のグラフでわかります。

窃盗犯の内訳を見ると、自転車盗は 17万4,020件(前年比6.0%増)、万引きは 9万8,292件(前年比5.5%増) と、いずれも大幅に増加しています。
さらに、令和2年から統計を取り始めた金属盗についても増加傾向が続いており、令和6年には 2万701件(前年比27.2%増) に達しました。

防犯カメラを導入する時に必要な用語の特集

NVRとは

NVRとは「Network Video Recorder」の略で、ネットワークカメラ(IPカメラ)の映像を録画・保存する装置です。
LANケーブルを通じて複数のカメラ映像を同時に管理できるのが特徴です。
録画データは内蔵HDDや外付けストレージに保存され、検索や再生も容易に行えます。
PoE対応モデルならLANケーブル1本で映像伝送と電源供給が可能です。
防犯カメラシステムにおいて「録画の頭脳」として中心的な役割を果たします。
従来のアナログ方式DVRと比べ、高画質・多機能で拡張性に優れています。

画素数とは

画素数とは、画像を構成する点(ピクセル)の総数を指します。単位は「万画素」や「百万画素(MP)」で表記されます。例:100万画素=HD、200万画素=フルHD、800万画素=4K相当。数値が大きいほど映像が高精細になり、拡大時も細部が見やすいです。

ただし、高画素になると録画データ容量や通信負荷が増えます。用途や環境に応じた画素数を選ぶことが重要です。

PTZとは

  • PTZPan(パン:左右の首振り)・Tilt(チルト:上下の首振り)・Zoom(ズーム:拡大縮小) の頭文字をとった略称です。
  • カメラの向きや拡大率を遠隔操作できる機能を指します。

バレットとは

バレット型カメラとは、筒状の形をした防犯カメラで、壁や天井に設置して特定の方向を監視するのに適しています。
形状が目立つため「監視している」という印象を与えやすく、防犯の抑止効果が高いことが特徴です。
屋外対応モデルが多く、防水・防塵仕様や赤外線による夜間撮影機能を備えているものが一般的です。
また、設置や角度調整がしやすく、比較的導入コストも低めです。
一方で視野角が固定されているため、死角が生じやすい点には注意が必要です。
そのため、広範囲を監視したい場合には、ドーム型やPTZカメラと組み合わせて使うのが効果的です。

リピーターとは

リピーターとは、電波や信号を受け取り、再送信して通信範囲を広げる装置のことです。
Wi-Fi環境では「中継機」とも呼ばれ、親機からの電波を遠くまで届かせる役割を果たします。
これにより、電波が弱い部屋や別の階でも安定した通信が可能になります。
設置は比較的簡単で、コンセントに挿して設定するだけで使えるモデルも多くあります。
ただし、中継を経由すると通信速度が半分程度に落ちる場合があります。
そのため、親機の電波がある程度届く場所に設置することが効果的です。

IP66とは、

IP66とは、国際規格「IEC60529」に基づく防塵・防水性能の等級を示す表記です。
「IP」の後の1桁目(6)は防塵性能を表し、「6」は粉塵が内部に侵入しない最高レベルを意味します。
2桁目(6)は防水性能を示し、「6」はあらゆる方向からの強い噴流水に耐えられることを示します。
つまり、IP66は「完全な防塵性能」と「強力な防水性能」を兼ね備えた規格です。
屋外設置される防犯カメラや照明器具などで多く採用されています。
ただし、水没(水中使用)に耐えるわけではなく、IP67やIP68と区別する必要があります。

HDDとは、

HDDとは「Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)」の略称で、データを長期的に保存する記憶装置です。
内部に搭載された円盤(プラッタ)を高速回転させ、磁気ヘッドで情報を読み書きします。
大容量データを比較的低コストで保存できるのが大きな特徴です。
ただし衝撃や振動に弱く、消費電力や発熱もSSDに比べて大きい傾向があります。
パソコンやサーバーのほか、防犯カメラの録画機(NVR/DVR)でも広く利用されています。
動画や画像など大量のデータを保存する用途に適したストレージです。

画角とは

画角とは、カメラのレンズが映し出せる範囲を角度で示したものです。
広角レンズでは広い範囲を映せますが、対象は小さく写ります。
望遠レンズでは狭い範囲しか映りませんが、遠くの対象を大きく写せます。
一般的に「水平画角」「垂直画角」「対角画角」の3種類で表されます。
防犯カメラでは、画角が広いほど死角を減らせ、狭いほど特定対象を詳細に記録できます。

PoEとは

PoEとは「Power over Ethernet」の略で、LANケーブル1本で電源供給と通信を同時に行う技術です。
通常はカメラや機器に電源ケーブルとLANケーブルの両方が必要ですが、PoEならLANケーブルだけで動作します。
そのため、配線工事が簡単になり、設置場所の自由度が高まります。
主にIPカメラ、無線アクセスポイント、ネットワーク機器などで利用されています。
給電にはPoE対応スイッチやPoEインジェクターが必要です。
配線をすっきりさせたい防犯カメラやオフィス機器の導入に特に有効な方式です。

光学ズームとデジタルズームとは

光学ズームとは、レンズを動かして実際に焦点距離を変え、被写体を拡大表示する方式です。
画質の劣化が少なく、遠くの対象を鮮明に映せるのが特徴です。
一方、デジタルズームは撮影した画像の一部を拡大する処理で、トリミングに近い仕組みです。
そのため倍率を上げるほど画質が粗くなりやすいという弱点があります。
防犯カメラでは、細部を確認したい場合は光学ズーム付きモデルが有利です。
デジタルズームは簡易的な確認に便利ですが、画質重視なら光学ズームを選ぶのが効果的です。